小さな会社のプラント設計2
- 北斗工機株式会社
- 2 日前
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当社はプラントメーカーであると同時に、穀物乾燥機メーカーでもあり、北海道の麦類用大型乾燥機で多くの納入実績を有します。
麦類用乾燥機は、お米(籾)用乾燥機とは求められる性能が異なります。
違いを一言でいうと、
お米の乾燥:「食味を落とさないためのゆっくりとした乾燥」
小麦の乾燥:「品質を落とさないための急速な乾燥」
となり、北海道の麦類乾燥施設の多くは急速な乾燥に適した「連続流下型」という方式を採用しています。

連続流下型乾燥機
連続流下型、というのは乾燥をワンパスで行う方式で、機械上部から投入された高水分の原料は、排出部で乾燥状態となり、再び乾燥機に戻ることなく、冷却後にサイロで保管されます。
そのような急速な乾燥を実現するため、乾燥機内の穀物堆積ゾーン全体で、大風量・高温乾燥が行われます。
大風量、というのは具体的にどれほどでしょうか?
当社の乾燥機は、設計風量比を1.2㎥/t秒としていますが、それは乾燥原料重量(トン)に対して1秒当たり1.2㎥の風で乾燥するという数値です。
最大サイズの乾燥機はおよそ90トンの原料が入るため、乾燥機1台に必要な風量は以下の通りとなり、送風機全体の動力で200kW程度になります。
90トン×風量比1.2×60秒=6,480㎥/分

大風量に加えて乾燥温度も高いため、大きな熱量を必要とします。
近年は比較的高温が続きますが、もともと北海道の収穫期は比較的冷涼で、夜間は肌寒いことも多々あります。
そのため当社乾燥機は、外気温度が15℃程度まで下がっても必要な乾燥温度50℃を得られる燃焼装置(灯油ガンタイプバーナー)を選定しています。
空気の密度を1.2kg/㎥、比熱を0.24kcal/kg℃、灯油の発熱量8,250kcal/㍑をとすると、先ほどの大型乾燥機の場合、灯油使用量は以下の通りとなります。
6,480×1.2×0.24×(50-15)×60÷8,250=475㍑/時
乾燥機1基に対してバーナーを2台付けるため、燃焼量250㍑/時のバーナーを選定します。
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風量比と温度が乾燥能力を決定するのであれば、工夫する余地は無いのでしょうか?
当社の乾燥機は平成27年に商品改良を行い、HGD-A型へとモデルチェンジしています。
ファン形式の変更による省エネ・低騒音・メンテナンス性向上が主な目的ですが、その後も改良を重ね、現行モデルでは電動機軸直結設計を全面導入し、さらなるメンテナンスフリーを実現しています。



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